お問合わせ092-726-8429

[月~金] 9:00~18:00

〒810-0044 福岡市中央区六本松4丁目11-25 クロッシング2100六本松 No.41-402

お問い合わせフォーム

弁護士ブログ-「縁の下の力持ち」

青少年との交際

青少年との淫行事件が度々ニュースとして取り上げられます。青少年を傷つけるような行為は倫理的に非難されて当然ですが、青少年と淫行を行った場合、法律上どのような刑事罰が与えられるでしょうか。また、結婚を前提に交際している場合でも処罰をされるのでしょうか。

殆どの都道府県は、青少年(18歳未満の者)の健全な育成を図るために所謂「青少年育成条例」を制定しています。福岡県の場合、平成7年12月25日に制定された福岡県青少年健全育成条例があります。

同条例において、青少年に対する淫行又はわいせつな行為は禁止されており(31条1項)、それに違反した者は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金刑が処せられます(38条1項1号)。

したがって、青少年と淫行を行った者は、相手方の同意があったとしても懲役刑又は罰金刑が科され前科者となってしまう可能性があります。

もっとも、青少年との性行為すべてが「淫行」にあたるわけではありません。

青少年育成条例違反が問題となった最判昭和60年10月23日判決では、福岡県青少年保護育成条例10条1項(当時)の規定にいう『「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔又は困惑させる等その心身の未熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為』をいうものと解するのが相当であるとして、「淫行」の範囲を限定しています。

したがって、交際相手が青少年であったとしても結婚を前提に交際している場合には「淫行」にはあたらず、処罰の対象とはなりません。

処罰の対象となる交際とそうではない交際の線引きはかなり難しいと感じます。未成年者と交際される際は、年齢確認を怠らないようにした方が良いと思います。

弁護士 天野広太郎[2017/06/09]