弁護士ブログ-「縁の下の力持ち」2>
■刑事事件の保釈制度
まだ暑い日が続いておりますが、段々暑さに慣れてきた気がします。人間慣れれば、良くも悪くも耐性が付くのかもしれません。
刑事事件のニュースでしばしば「保釈」という言葉を聞かれると思います。容疑者が警察署や拘置所から出られるというのいうのは漠然と分かるものの、保釈とはどのような制度なのか具体的に説明できない方も多いのではないでしょうか。
刑事事件では、警察署等で被疑者が逮捕勾留された後、起訴するか(刑事裁判にするか)を検察官が決めることになります。
そして起訴された後、被告人は裁判所に対して保釈申請を行うことができます。裁判所が保釈を許可した場合、被告人は警察署等から釈放されて、裁判所の定める制限住居(身元引受人の住居等)での生活を送れるようになります。
保釈は起訴された「後」にしかできませんので、最初の逮捕勾留されている段階では保釈申請はできません(別途勾留取消し請求等は可能です)。また、保釈を許可してもらうには身元引受人が要ることがほぼ必須の条件です。
保釈が許可された場合、保釈保証金を裁判所に納める必要があります。保釈保証金として少なくとも150万円程度が必要となり(被告人の経済的状況によって金額は決まります)、もしも刑事裁判の期日に出頭せず逃走したりすると、保釈保証金は没収されてしまいます。
保釈金がすぐに準備できない方のために、日本保釈支援協会等の保釈金を立て替えてもらえる機関があり、それを利用すれば保釈保証金を用意することも可能です。(ただ、全額を立て替えてもらえるわけではなく、立替え手数料等がかかります。)
警察署で長期間生活してきた被告人は、少しでも早く釈放してほしいという気持ちになるのが通常です。保釈されるべき正当な理由のある被告人の場合は、スピーディーに保釈申請することをいつも心掛けています。
なお、「容疑者」という言葉をニュースでしばしば耳にしますが、これは法律上の用語ではありません。刑事訴訟法上、起訴される前は「被疑者」、起訴された後は「被告人」というのが正しいので、これを機に覚えていただければと思います。
弁護士 天野広太郎[2018/08/09]
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まだ暑い日が続いておりますが、段々暑さに慣れてきた気がします。人間慣れれば、良くも悪くも耐性が付くのかもしれません。
刑事事件のニュースでしばしば「保釈」という言葉を聞かれると思います。容疑者が警察署や拘置所から出られるというのいうのは漠然と分かるものの、保釈とはどのような制度なのか具体的に説明できない方も多いのではないでしょうか。
刑事事件では、警察署等で被疑者が逮捕勾留された後、起訴するか(刑事裁判にするか)を検察官が決めることになります。
そして起訴された後、被告人は裁判所に対して保釈申請を行うことができます。裁判所が保釈を許可した場合、被告人は警察署等から釈放されて、裁判所の定める制限住居(身元引受人の住居等)での生活を送れるようになります。
保釈は起訴された「後」にしかできませんので、最初の逮捕勾留されている段階では保釈申請はできません(別途勾留取消し請求等は可能です)。また、保釈を許可してもらうには身元引受人が要ることがほぼ必須の条件です。
保釈が許可された場合、保釈保証金を裁判所に納める必要があります。保釈保証金として少なくとも150万円程度が必要となり(被告人の経済的状況によって金額は決まります)、もしも刑事裁判の期日に出頭せず逃走したりすると、保釈保証金は没収されてしまいます。
保釈金がすぐに準備できない方のために、日本保釈支援協会等の保釈金を立て替えてもらえる機関があり、それを利用すれば保釈保証金を用意することも可能です。(ただ、全額を立て替えてもらえるわけではなく、立替え手数料等がかかります。)
警察署で長期間生活してきた被告人は、少しでも早く釈放してほしいという気持ちになるのが通常です。保釈されるべき正当な理由のある被告人の場合は、スピーディーに保釈申請することをいつも心掛けています。
なお、「容疑者」という言葉をニュースでしばしば耳にしますが、これは法律上の用語ではありません。刑事訴訟法上、起訴される前は「被疑者」、起訴された後は「被告人」というのが正しいので、これを機に覚えていただければと思います。
弁護士 天野広太郎[2018/08/09]
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